営業にスキルは要るか2

前回の続き、営業のスキルのお話です。


営業や交渉術には、テクニックというものだって存在する。

例えば、ミラーリングとかドアインザフェイスとかYes話法とかだ。

そういった本は、営業マンのときに、ほとんど読んだし理解した。


それに、営業マンになれば、営業研修を受けさせられる。

例えば、人の性格を4つだかに分類して、自分と相手の相性を分析し、

相手に応じた口説き方をするとかだ。


理屈では理解できるし、「ほぅほぅ、なるほど」とは思う。

ただ、営業の場でお客様に実践するのはどうかと思っている。


例えば、自分がディーラーに車を買いに行ったとしよう。

担当の営業マンが、しきりにこちらの動作のマネをして、腕組みしたり、顔を掻いたりしてミラーリングを実践されたら、やられたほうからしたら、むしろ滑稽でかわいい。交渉術の教科書に書いてあるような、話法やトークをバンバン繰り出して調子よく見積まで持っていこうとしたら、不信感で一杯だ。


それよりも、こちらの要望に必死に答えてくれて、予算に収まるように必死に上司に割引きの説得をしてくれたりしたら、信頼感はマックスだ。


前回お話ししたような、私の初陣の好成績などはよくある話だ。

ビギナーズラックともいわれるものだ。

お客様のことだけを考えて、一生懸命に尽くした結果、初心者ほどそうなるのだ。

逆に、長年やって「業者っぽさ」が出ると、それが伝わる。

怪しいし、なんか金儲けの匂いがしたら、誰だってイヤなものである。


結局、営業で大事なのはテクニックなどではなく、どれだけお客様のことだけを考えて行動できるか、そして心の距離を縮めることができるかだと思う。(つづく)





中野 裕哲 - Hiroaki Nakano        - オフィシャルブログ