カリスマ経営者からの学び4

ある時期がきたら、必ずボーナスが100万円もらえる。


こんなボーナスの出し方をしてる会社は、たくさんあるだろう。


私は大手企業の人事部出身だ。

その経験からすれば、社員が何千人もいる会社だったら

給与と倍率、テーブルと査定、単価と業績額などで自動的に計算するのでなければ、

とてもじゃないけど、計算が間に合わない。

だから、結果的には、毎回、大して変わらない額のボーナスをもらえると

ある意味、安心しきった状態となる。


でも、ベンチャー企業の場合、どうだろう。

生活の保障という意味では、従業員は安心するが、

逆に、仕事に対して、本気になるだろうか。


小さな企業ほど、一人一人のがんばる、がんばらないが業績を大きく左右する。

例えば、3人でやっていれば、極端な話、1人がちゃらんぽらんだったり、サボっていれば、

会社の3分の1の売上は不安定となる。ヘタすれば、足を引っぱられて全体にとって、致命的なマイナスだ。


だから、報酬の配分には、余程、慎重にならなければならない。

「業績」や「やる気」と連動して、信賞必罰が鉄則だ。

ただでさえ、少ない原資から払うのであるから、1万円あたり効果を最大にできるのが、優れたベンチャー経営者だろう。同じお金を出して、それが生き金が死に金か。よく考える必要があるのだ。


その人のやる気を引き出すという意味では、例のカリスマ経営者は本当にすごい。

正月になると、子どものいる社員をさりげなく社長室に呼ぶ。

「おーい。○○くーん」と。


何かと思って入ってみると、

「これ、お年玉だ。何か買ってやれよ。」

と子どもの数だけ、1万円の入ったポチ袋を渡すのだ。


こんなことされたら、感激だ。心をわしづかみにされる。家族も含めて。

誰もが社長のファンになり、社長のために尽くす。


システムがどうとか、制度がどうとか言う前に、

社長として、こういうことができるかどうかを考えてみるべきだ。

従業員はモノではない、人間は理屈や金ではなく、心で動く。それが経営なのだ。

中野 裕哲 - Hiroaki Nakano        - オフィシャルブログ