油断大敵

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」

とはよく言ったもので、人は、ある程度、仕事を覚えたり、ちょっとでも物事がうまくいくと、有頂天になったり、途端に手綱を緩めたりするものだ。


喰うにも喰えず、「この苦境を何とか乗り越えよう!」と、歯を食いしばって必死に努力を重ねていたのが、ある日を境に努力をしなくなり、「この程度、やっておけばいいだろう」とか、「このくらい稼いでおけば御の字かな」などと考えるようになる。

そう。「努力しているつもり」になりがちなのだ。


そんなときは振り返ってみたい。ハングリーなときの自分を。過去の栄光にすがることなく、全くのゼロからスタートするつもりで気持ちをリフレッシュすることが大事だ。

定期的にこの確認作業ができる者がどんどんと上に行けると思う。


中途半端な者ほど、ちょっとの成功で満足してしまう。

逆に上にいく人間は、満足を知らない。極端なほどに道を「追求」していく。

それは苦しみながらではなく、楽しみながら。半分は趣味みたいなものだ。

成功者に共通するのは、「好きこそものの上手なれ」だ。夢中なのだ。


あの大業を成した徳川家康の言葉に

「われ志を得てのち、油断大敵この四文字を守れり。」

(物事を成し遂げた後、気を緩めず油断大敵の気持ちを常に持つ。)

とある。


徳川家康に比べれば、ずっとずっと足元にも及ばない我々なのだから、油断するなんてもってのほかだろう。自分も常に心にとめておきたいと思う。



中野 裕哲 - Hiroaki Nakano        - オフィシャルブログ