赤ボタンの法則

例の社長の元で金庫番として修行していた時代のことだ。

私が、いつものように社長室に入ったところ、社長が大きな声で、社長室の外にいる秘書を呼び出した。

「おーい!ちょっときてくれー」と。


続けて言った。

「この電話のこの中野君のボタンがあるだろ、ここを赤いマジックで塗りつぶしておいてくれ!」

「中野君に相談したいことが、いつもたくさんあるんだ!いちいちボタンを探すのが大変なんだよ~。だから、すぐわかるように目立たせたいんだよ!」と。


社長室の電話は、他のフロアの電話とは違っていた。ボタンがたくさんあるのだ。各事業部の部長などの内線がすぐに呼び出せるように個人ごとにボタンが割り振られていた。


入社して1年ほどの私に、そんなことを言ってくれるなんて、想像もしていなかったから、驚いた。そして、大きなやりがいを感じたのは言うまでもない。人のモチベーションを高める天才だなぁと思った。


同時に思ったのは、「あぁ、これだなぁ!」と。

つまり、ビジネスパーソンとしては、

「何かあったときに真っ先に相談したい!」

と思い浮かぶような人材になることが重要なんだと。


これは、ビジネス全体に言えることだし、どの業種でも共通するだろう。

コンサルタントでも、webサイトでも、お店でも同じだ。

真っ先に思い浮かぶ存在になれるか、そして、すぐに解決できる存在になれるか。


「赤ボタンの法則」。

V-Spiritsも、そうした存在になれるように、皆で、精進していこうと思う。


中野 裕哲 - Hiroaki Nakano        - オフィシャルブログ